貿易用語辞典

荷主企業が物流業務全般を外部委託するモデルで、コスト削減や業務効率化に寄与します。倉庫管理、配送、在庫管理、情報システム連携など広範囲に対応する必要があります。

関税法や通関手続に違反した場合に課される行政上の制裁で、貨物没収・課徴金・輸出入停止などが含まれます。軽微な違反でも企業の信頼に関わるため注意が必要です。

輸入者が商品納入前に代金を支払う形式で、T/T前払いが代表的です。輸出者にとっては安全な取引方法ですが、輸入者にとってはリスクがあるため、信頼関係が重要となります。

税関に対し、輸出入前に商品の分類（HSコード）や税率の適用などについて公式見解を求める制度です。不確実性の排除と通関の円滑化に寄与し、文書による回答が得られる点が特徴です。

発行銀行から信用状を受け取り、輸出者に通知する銀行です。信用状の内容を検証し、輸出者への正式な通知を行う役割を担います。通常、輸出者が取引している銀行が選ばれます。

税関が認定する信頼性の高い輸出入事業者で、通関手続きの簡素化や優遇措置を受けることができます。日本を含む多くの国で導入されており、グローバルサプライチェーンの円滑化に寄与しています。

複数の費用（基本運賃、サーチャージ、手数料など）をすべて含んだ総額の運賃です。明細を細かく区分しない分、見積・請求がシンプルになりますが、費用内訳の透明性は下がります。

B/Lやインボイスなど、提出済みの書類内容を訂正・変更する際に課される手数料です。フォワーダーや船会社、航空会社が設定し、種類や変更内容により異なります。

米国向け海上貨物の到着前に、運送業者やフォワーダーがB/Lや貨物情報を電子的に税関に申告する制度です。ISFと並び、米国輸入通関の事前準備として不可欠なプロセスです。

信用状の発行を依頼する者、すなわち通常は輸入者を指します。L/Cや銀行保証における契約当事者として、条件遵守・手数料負担などの義務を持ちます。

輸出前に検査機関（例：SGS、JISなど）に提出する書類で、検査の種類・基準・貨物情報を記載します。品質証明や信用状条件を満たすために必要となるケースがあります。

輸入者が自国の銀行に対し、輸出者向けの信用状発行を依頼するための文書です。内容には契約条件、金額、発行形式、船積期限などが含まれ、正確な記載が求められます。

船会社やフォワーダーが輸入者に対して発行する通知書で、貨物の到着日・到着港・B/L番号などを記載します。貨物の受取準備や通関手続きの開始に必要です。

輸入貨物が到着したことを示す書類で、フォワーダーや通関業者が作成し、関係者や荷主に報告します。貨物の状態や輸送過程での問題点も併記されることがあります。

出荷側から受領側に対し、貨物の到着予定、数量、内容などを事前に通知する電子データです。WMSやERPとの連携によって効率的な荷受け・検品が可能になります。

国際的な展示会・スポーツ大会・業務用機器の持ち込みなどで使用される、一時輸出入用の通関書類です。関税・保証金不要で多くの国で共通に利用できる便利な制度です。

関税当局から安全性や法令順守体制が高いと認定された事業者で、通関簡素化・検査緩和などの特典を受けられます。貿易の信頼性と効率性を両立するための国際的制度です。

AWBは航空貨物の運送に関する契約書兼受領書で、B/Lと異なり譲渡性がありません。つまり、所有権の証明には使われず、引渡は貨物の現地到着によりスムーズに行われます。IATA（国際航空運送協会）標準書式が使われるのが一般的です。

売主（振出人）が買主に対して、一定の金額を一定の期日に支払うよう指示する証券です。貿易取引での信用補完手段として活用され、D/A取引などで使われます。銀行が裏書や割引を行うこともあります。

B/Lは海上輸送における最も重要な書類の一つで、「貨物の引換証」「運送契約書」「物品所有権の証明書」として機能します。銀行取引や通関手続きにも必須であり、B/Lの種類（オリジナル・サレンダーなど）によって実務の流れが大きく変わります。

船荷証券の内容をフォワーダーや船会社に対して指示する文書で、荷主情報・荷受人・品目・積載方法などを記載します。不備があるとB/L記載ミスや船積み遅延につながります。

配送後の戻り便に貨物を載せて有効活用する輸送形態で、輸送コストの削減や空車率の低減に繋がります。輸送需要の地域差を調整する手段としても活用されます。

在庫不足などにより出荷が遅れている注文分を指します。納期管理や販売機会損失の原因となるため、輸入管理や顧客対応において明確な伝達と記録が必要です。

船舶燃料（バンカー）の価格変動によるコスト変動を補うために課される追加運賃。燃料費の変動によって運賃を補正するための追加料金で、主に海上輸送において適用されます。BAFは月ごとに変動することがあり、見積書やインボイスに明記されます。海上輸送の実務では、運賃の一部として定期的に調整されるため、事前に契約で明示することが望ましいとされています。

信用状発行手数料、送金手数料、取立手数料など、銀行が貿易取引に対して課す料金全般を指します。どちらが負担するかは契約で明確にしておく必要があります。

発行銀行が振出人となる支払保証付きの手形で、通常の小切手よりも高い信用度があります。取引先に対する支払いや海外決済にも利用されることがあり、L/C代替手段となる場合もあります。

商品や物流単位を識別するためのコードで、スキャナーで読み取り可能な形式です。物流現場ではピッキング・検品・入出荷処理などに不可欠です。

信用状や保険契約などで、金銭を受け取る権利を持つ者を指します。輸出者がL/Cの受益者となることが多く、契約書類上で正確な記載が必要です。

SWIFTコードの別称で、国際送金において送金先銀行を特定するために使用されます。BICは8桁または11桁で構成され、銀行名・支店名・国を識別します。誤入力は送金ミスにつながるため注意が必要です。

実重量と容積重量を比較し、輸送会社が課金基準として採用する大きい方の重量です。航空輸送やLCLで一般的に使用され、運賃計算の基礎となります。

主にインドをはじめとする南アジア諸国で使用される、貨物の輸入申告に関する正式書類です。HSコード・価格・貨物詳細が記載され、関税評価や許可取得の根拠となります。

関税未納のまま貨物を保管・加工できる特別エリアです。自由貿易港や空港などに設置され、再輸出や通関保留の際に利用されます。