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文化の違う海外に色を伝えるのは難しい
例えば一口にピンクと言っても、様々なピンクがあります。薄い桜色からショッキングピンクまで幅広く、女性向けの商品を扱う方なら、そのピンクの種類によって、売り上げ方も購買層も変わってくることはよくご存知のはず。しかし、中国の工場に「Shocking Pink」と言っても伝わりません。わかりやすく伝えるなら「Vivid Pink」ですが、それでも彩度の高いピンクは相当数ありますよね。懇意にしている通訳の方の話では、中国語でピンクは「粉红色」というそうですが、薄紫っぽい色やさくらんぼの色も同じ「粉红色」と表現するとのことで、「Pink」として捉えられる範囲は非常に広いようです。自分のイメージ通りのピンクを的確に、しかも日本語の通じない海外の取引相手に伝えるのであれば、お互いにとって共通の色見本を用意しなければいけません。
カラーチャートを使用する
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よく知られているのが、米・パントン社が展開するPANTONE、日本の大日本インキ化学工業が展開するDICなどの色見本です。PANTONEの方は、ソフトバンクの携帯端末のシリーズとして商標が使われていますので、ご存じの方もいるかもしれません。
当社の商品企画の際、海外取引でよく先方から指定されるのは、やはり広く普及しているPANTONEです。大方の工場でPANTONEのカラーチャートが用意されているので、無駄な労力を避けるためにも、それを使用して色を伝えることをおすすめします。上の画像のとおり、カラーチャートに色番号が振られてるので、イメージしているカラーをカラーチャートから探し、工場にその色番号を伝えるだけで相手に伝わります。
非常に便利な色見本ですが、ひとつ難点を挙げるとすると…
高いんだよね。値段が。
個人事業とか零細規模の会社にとって数万円って結構痛い。数万円あったら広告費に回したいってのが本音です。そのお金を払う価値があるとは言え、ちょっとしたブランド品を買うプチ贅沢の感覚ですよ。 販売サイトの一例はこちら
それから上の画像のカラーチャートは、プラスティック製品の色見本としては適当ではありません。あくまで印刷用の色見本と考えるべきです。プラスティック製品のカラーを正確に指定したい場合は、このPANTONEのカラーチップを利用するのが最適と言えます。しかしながらこれまた桁違いに価格が高い。費用をケチる経費削減するなら印刷用のカラーチャートで十分と言えます。細かく色指定する必要がある業種はインテリアなどのデザイン製品などに限られますから、コンシューマ向けの製品であれば、多少のイメージ違いも許容範囲と言えると思いますが。
数万円も払いたくない方にはアプリもあるが…
ちなみに費用を最小限に抑えたいという方は、PANTONEのカラーアプリもあります。「PANTONE」で検索してください。このアプリは色見本だけでなく、画像からPANTONEの近似値を抽出したり、よく使うカラーを記録させたりなどの豊富な機能があります。価格も2015年3月現在で1000円ですので、経費にシビアな経営者の方でも十分許容できる範囲でしょう。ただし、EC事業の方なら顧客クレーム等で痛感していると思いますが、モニターによってまったく色のイメージが違いますし、自分のモニターで最適な色を見つけたとしても実際の製品カラーは異なって納品されてしまう場合があります。こればかりは仕方のないことですので、工場から製品サンプルを送ってもらい、その都度微調整していくより他ありません。
このPANTONEアプリについては、こちらのブログ様が詳しかったのでご紹介しておきます。
その他、PhotoshopやIllustratorなどのAdobe製品をお持ちの場合は、これらのグラフィックソフトで、CMYK値・RGB値からPANTONEの色番号に変換することが可能です。これについては今後、時間があれば記事にしたいと思います。