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貿易パートナーとしての中国と対日感情

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考え方の違う国同士の取引

2012年に中国で起きた反日暴動。私達は日中メディアの報道しか見ることはできませんが、確かに国家間では埋めることのできない対立があり、反日・反中勢力双方の過激さが目に余る状況です。しかしながら私は仕事柄、多くの中国の人々に触れているわけで、本当に中国人は反日なのかと疑問に思わざるを得ません。ビジネスでの交流であるとはいえ、敵意を感じることは全くありませんし、むしろ私が中国を訪れると心のこもった歓迎をされて、両手をとって「また来てください」とまで言われます。一部の日本のレイシストからは「そりゃお前の金が目当てなんだろ」なんて声も聞こえてきそうですが、それは本当に悲しい考え方ですよね。

※トップの画像は、名前は忘れてしまいましたが、浙江省台州市にある公園です。スモッグだらけのイメージのある中国ですが、天候の影響もあってかこの付近の空気は透明度が高かったです。夜景もきれいでロマンティックな雰囲気のただよう公園でした。

 

中国は「迎える」文化である

私が中国出張の際にいつも同行してくれる通訳の劉(リュウ)さん。彼の言葉を借りると、

日本は「伺う」文化で、中国は「来てもらう」文化

相互に交流するときは、日本人は「相手を訪問して表敬する」文化で、中国人は「訪問してきた相手を歓迎して表敬する」文化なのだそうです。簡単に言うと、挨拶をしたい相手がいる場合、日本では、挨拶をする相手の家に訪問して、挨拶をします。反対に中国では、挨拶をしたい相手を自分の家に招いてもてなすことで挨拶をするというのです。

地域によって差はあるのでしょうが、私が日本式の常識で中国の工場に日本のお菓子を手みやげとして持っていくと、必ずと言っていいほど担当者は「ん??」という表情をしていましたね(笑) 日本国内で相手に手土産を持って行くと、「あらあらまあどうもありがとうございます」といって奥に持って行き、場合によっては茶菓子としてそれを出される。しかし中国の相手に手土産を持って行くと、十中八九「あ、え?これなに?」という表情をされ「ところで・・・」と、手土産がその場に放置されたまま別の話が始まる(笑)
劉さんの言ったその文化の違いを理解していないと、排外主義者の悪辣な言葉で言う「民度が低い」と思われがちですが、これこそが「自国の文化こそ常識」という一種傲慢な考え方であり、レイシズムに他なりません。中国の工場の人達は、商談後、私を食事に連れて行き、宿泊先のホテルまでリザーブし、次の日は早朝に起きて私を新幹線の駅まで送迎するという形で、最大限の歓迎を表現しているのです。

中国国内の黄金ホテル

※広東省深セン市の宿泊先にて。中国では赤・金が好んで使われる色だそうです。私の宿泊したホテルの真ん前に黄金に輝くホテルがあって度肝を抜かれました・・・。

 

それはそれ、これはこれという分別が必要

私が中国の工場の担当者と会食した後、ラウンジで談笑していた際のことですが、たまたまその工場の担当者の友人がそのラウンジに居て、その友人に私を紹介してくれたのですが、その友人は「○☓△○□!?」と声を上げ、私を見ました。結構大きな声だったので私はビックリしましたが、すぐにその友人は笑顔になり。「ヤァヤァ」といって私に握手を求めてきました。後で劉さんにきいたところ、最初、「なにっっ!?日本人っ!?」と言っていたそうで、「冗談でいったんですよ(笑)」と解説してくれました。非常に趣味の悪い冗談ですが、全く悪気は感じられなかったのは確かです。そのあと、すぐ私のとなりに座って、何かを差し出してきました。

タバコです。なんでも、中国では初対面の人に挨拶のような意味を込めてタバコを差し出す文化があるそうで、当時禁煙真っ最中だった私は、仕方なくタバコに火を付けた覚えがあります。でも中国のタバコは強いんだなこれが。私はむせ返ってしまった。

ひとつ感じたことは、心の奥底に「日本人は仇敵である」という意識があったとしても、私の触れ合った民間人を見る限り、「それはそれ、これはこれ」とちゃんと分別して考えています。日本のニュース番組で、日本に来た中国人観光客に「日本のことを好きですか?嫌いですか?」と、馬鹿なインタビューをしていましたが、その中国人観光客は「政治の話は政治家に聞いてください。その話はしたくない」と答えていたように、少なくとも私の中国の知人は、政治と民間交流をちゃんと分けて考えています。

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※美容機器工場のSunny君と、Yang女史。Sunny君が「Sunnyホテル」というホテルをリザーブしてくれ、「これ私のホテル。わら」とつまらないジョークを飛ばしていました。

 

立場の違いを理解して交流すべき

領土問題も歴史認識の問題も、双方の主張が食い違っている以上、どちらの主張が正しいのであれ、それぞれの国民がそれぞれの政府の主張を信じるのは無理からぬことです。民間でのビジネスをしている以上、そこには一切に触れないで、民間としての割り切った交流をすべきです。

失言王と言われているジャッキー・チェンが、「尖閣諸島は中国のもの」と発言して日本人から批判を浴びたが、これを「反日発言」や「日本に恩を仇で返した」などと短絡的に批判するのはあまりにも浅はかでヒステリックです。中国人には(彼は香港出身ですが)中国人の立場があり、日本人には日本人の立場がある。領土問題は政府同士が解決すべきことで、我々民間人が、一民間人の発言に一々過剰反応していては解決するものも解決しないでしょうね。
私には、北方領土に言及した点において、「お互い立場が違うのだから、それを受け入れてその上で相互交流しようぜ」というジャッキーなりのメッセージのように感じましたが・・・。

参考URL
ジャッキー・チェン「尖閣は中国」発言 ただし「北方領土は日本のもの」

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