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せどりの理屈
せどりの販売手法で有名なのが、ネットでの市場価格が高い割に店頭価格が安い本をブックオフで仕入れ、自分でネット販売するという方法。転じて、リサイクルショップなどで中古品を安く購入し、ヤフオクなどで高値で転売する方法や、国内と海外で価格差のある商品を取り次いでその利ざやで稼ぐ方法が一般的です。Amazonの販売価格との差を調べるツールなども出回っていますね。
せどり(競取り、糶取り、背取り)とは、『同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること。また、それを業とする人(三省堂 大辞林より)』を指すが、一般的には古本用語を元にした「掘り出し物を転売して利ざやを稼ぐ」商行為を指す言葉。
Wikipediaより転載: http://ja.wikipedia.org/wiki/せどり
せどりという商行為自体はそれほど難しいものではなく、説明しようと思えば数行でできるくらいの簡単なモノ。利益を出すためにコツや技術が必要で、その点でセンスのある人とない人の差が付くというだけです。ネットを見ていると、いわゆる「情報商材屋」と呼ばれる人たちが、「一日数時間、あることをするだけで一日○○万円!!」などと言って、この誰でも知っている簡単な輸入せどりを、さも誰も知らない有益な情報かのように高額なツール付きで販売しています。
Amazonは、Amazon独自のASIN、または主要国共通のEANコード(日本ではJANコード)で出品商品を管理するのが原則ですので、これらのコードさえわかれば、ツールを使っても使わなくても、海外と日本の価格差を知ることができます。「このツールで価格差を自動で調べられるから、あとは頑張って売ってくださいね〜」という情報なんです。ところがそうは簡単にいきません。
輸入せどりで利益が上がらない理由
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誰でもできるからライバルが多い
誰でもできるということは当然参入者も多くなります。必然的に同じ商品を販売するライバルは増えますし、不毛な価格競争にも陥る。そもそも、こういう情報やツールというのは、輸入せどりのフロンティアに近い人たちが、「もうそろそろ潮時だな、別のことをやろう!」と考えて、自分のノウハウを情報として売り始めたものな訳で、簡単に言えば「おいしいお茶を飲んでいたが、何度も煎れていたら味が薄くなってきたので、この出涸らしを最後に売ってしまおう」ってなところです。つまり、いわゆる情報商材になってしまっている段階で、それは古い情報に他ならず、市場は飽和状態というわけです。
商品を探すことより、商品を売ることの方が難しい
ネットショップなどでの販売をやっていれば解るのですが、こういうせどりのカラクリ云々はさほど大した問題ではありません。結局、「お客さんに売る」という部分が一番大変かつ予定どおりにならない。並べておけば売れると思ったら大間違いで、プレミア商品でもない限り、商品説明や商品の見せ方に一手間二手間かけてようやく商品は売れるようになるものなのです。
そういったことを知らない方は、せどりのからくりを知っただけで儲かった気になってしまい、後々思ったように売れず、情報料をペイできないのです。本当にがっぽがっぽ儲かるなら誰にも教えずに自分だけでやってます。「この情報売っている人は、なぜ自分でやらないのか??」という、ごくごく基本的な疑問から目を背けない方がいいです。せどりで儲けている人も確かにいます。ただ、参入者が多い今、確実に利益を上げるためには、よっぽどのスキマ商材を見つける能力と、そのカテゴリーにライバルが増えた時に、それにめげずに新しいカテゴリーを開拓し続けられるポジティブさが必須でしょう。
売れるようにするためには長期的な視点を持つ
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お店の商品が売れるようになるまでには時間がかかる
ネットショップなどを運営すると、どれだけたくさんの商品を揃えたとしても、売れるようになるまでにはとても時間がかかることが判るはずです。日本の消費者は諸外国と比べてとても慎重で、商品そのものの魅力や価格だけを見て買い物はしません。お店の信頼度や、返品交換・サポートなどのアフターサービスといった、「安心してお金を出せるかどうか」という視点も加わります。
珍しい商品や、プレミアの商品を探すことだけにこだわらないで、売るための施策も考えなければいけないのです。
結局のところ行き着くのは、商品そのものの力と、それを売るため手間暇が両方必要だということ。これはせどりであろうと、当社が行っている商品企画であろうと、そこは全く変わらないのです。
商品は育てるもの
輸入せどりは、365日、常に新しい商品を探し続けていなければなりません。またそのたびに商品登録や説明文の執筆など、相当な手間がかかります。まさに右から左への世界ですので、その作業の中でハズレ商品を引いてしまったり、珍しい商品にこだわりすぎて、誰も買わないような商品を集めてしまったりしがちです。
自社のオリジナル商品であれば、ひとつの商品を安く生産できるのは当然としても、その商品の販売のみに全力を尽くせますし、そのうち愛着も湧いてきます。また自社にしかないブランドで販売しますので、価格競争も緩慢であり、他社が恐々としている間に、手間ひまをかけて商品ページなどをゆっくり作りこんでいけるのです。そのうち、一般消費者からの信頼もできて売上の相乗効果も期待できます。ライバルとの不毛な販売競争に身を削るくらいなら、自社のオリジナルブランド商品を、文字通り時間を掛けて育てていったほうが、売上も目に見えて向上します。そして何より、毎日の仕事が楽しくなるのではないでしょうか。