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目次
輸入せどりは貿易といえるのか?
輸入とはなにか
海外企業と交渉して商品を製造し、船や飛行機をブッキングして輸送し、書類を揃えて税関に提出、いったん自分の管理する場所に運搬するのが一般的な輸入の流れです。もちろん、せどり販売の目的で、個人的に商品を海外から買って消費者に届けるのも広義の輸入だと思いますが、この場合、繁雑な手続きはすべて国際クーリエサービスに丸投げで、まさにDoor to Doorなわけです。
もともと「副業」として一般化した輸入せどりを「輸入ビジネス」だと言い始めたのは、ほかならぬいわゆる情報商材屋。ビジネスとくっつければ響きがかっこいいというのは理解できますが、なんでもビジネスをつければ良いというものではありません。
輸入せどりと貿易を混同しないで欲しい
輸入せどりについては、過去の記事「輸入せどりはなぜ儲からないのか」で説明しましたが、個人的には、輸入せどりの手法を「輸入ビジネス」と言ってしまうのは少し抵抗があります。かんたんに言えば一緒にしてほしくない。なぜなら、たくさんの人に輸入・貿易の意味を誤解されてしまっているからです。
事業をよくわかっている方なら、我々の輸入ビジネスとせどりの手法の違いがわかるので良いのですが、問題はそうでない人たち。先日、「どんな事業をやられてるんですか?」と訊かれて、「商品企画や輸入をやっています。小売と卸もやっていますよ」と言ったところ、「ああ、せどりですか。輸入ビジネス流行ってますよね〜」と言われました。
違う…。違うの。叙々苑と安楽亭くらい違うの。
確かに我々がやっているのも、海外との価格差のある商品を仕入れて売っているといえばその通りなので、基本的にはせどりの延長線上にあるのかもしれないです。もしくは、我々のやっている輸入をコンパクトにしたものがせどりなのかもしれません。というより、多くの物販事業がせどりの要素を持っていることでしょう。ただ我々の輸入の仕事は、もっと複雑な要素が絡んでいますし、流通量はケタ違いです。また「海外から買う」と「海外で製造する」の違いもあります。我々は商品を転売しているのではなく、一から作って、または作っていなくてもプロモーションで販売量を伸ばすなど、商品を「育てて」いるんです。作成すべき書類もノウハウもまったく違うもので、元手ゼロでは始めることはできません。
カラ売りのせどりの場合は輸入ですらない
輸入せどりの情報商材の中には、事前に商品を輸入せず、海外の出品を確認してから、日本国内でカラ出品(手元にない状態で出品)し、売れた段階で、出品者から購入者に直送するという手法を指南するものもあります。それに至っては、輸出入関係にあるのは、商品を出荷する海外の出品者と、商品とAirwaybillを受け取って受取証にサインする消費者であり、もはや輸入ですらない。この手法と我々の事業を「輸入ビジネス」と一括りにされてしまうとあまり気分は良くないですし、解ってない人に違いを説明するのが面倒くさくて仕方ありません。
とはいえ、せどりの基本は物販の基本
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ネットショップや実店舗での物販など、商売の基本は「安く仕入れて高く売る」です。ネットショップは特にそうですが、「他社が取り扱っていないもの」「市場価格と仕入れ価格の差が大きいもの」を狙うのがベスト。せどりをやっている、またはやっていた人は、この基本を体で覚えているはずです。
「せどりである程度資金ができたが、最近儲からなくなってきた」「収入の割に拘束時間が多い」というせどらーの方は、その基本を生かして、本格的な自社ブランド商品や、海外買付によるショップ経営にチャレンジしてみてほしいです。・・・と、自分の仕事に結びつきそうなことを取って付けたように言っておきます。